2023年、新NISAの話題を聞くことも多くなり、作ったきり放置していた証券口座を思い付きで動かしました。最低限の生活防衛資金を残しはしましたが、どうせ独り者と、貯めた資産の大部分を種銭として入金し、FIRE (Financial Independence, Retire Early、経済的自立を伴う早期退職) という大きな夢を見ることにしました。
最初の頃こそ、数万円の含み損が発生するだけで頭を抱え、小さく小さくリスクを取り、ほとんど減りもしないが増えもしない残高と、訳の分からない個別株の値動きを毎日眺めていましたが、自分は何のために株を始めたのか?と自らを奮い立たせ、2023年末、新NISAの開始に伴い2024年初頭は株価が上昇するだろうと踏み、大きな買い玉を抱えたまま年を越しました。
結果はご存知のとおりです。
日経平均株価は大きく上昇し、バブル最高値の 38,915 を超え、一時 41,087 まで上昇しました。私の持っていた銘柄もその例外ではなく、結果的に、投入資産が 10% 増加するという大勝ちを始めて経験しました。
当時の所有銘柄
8053 住友商事 ・・・ バフェット銘柄
1928 積水ハウス ・・・ 1月末配当権利付
5411 JFE ・・・ 低PER、高配当
しかし、まぐれ当たりは続きませんでした。
半導体セクターの銘柄は今も注目されていますが、年始の成功で増長した私は、御多分に漏れず更に大きくリスクを取り、7735 SCREENホールディングスに手を出し、3月から4月の下落をもろに受けました。結局、利益をすべて吐き出したどころか、元の資産の3割を失いました。
時間が経ち、少しずつ冷静さを取り戻しながら考えました。
各所で言われていることですが、リスクとリターンのバランスを考えるなら、低コストなインデックスファンドの積立投資に勤しむことが正解なのでしょう。eMAXIS Slim 全世界株式(通称オルカン)は余りにも有名です。もう個別株はスッパリ辞めて、インデックス投資に全額振り向けようかとも思いました。
ですが、私は今も個別株を続けています。理由は愚かにも、「インデックスファンドはリターンが低くて面白くない」です。利率を年5%と仮定して、失った資産3割を取り戻すためには、8年もの時間を要します。FIRE はどこに行ったのでしょう?
私が音を上げて買い玉を手放した瞬間よりも、7735 SCREENホールディングスの株価は下がっています。遅きに失しましたが、見方を変えれば私の損切は、少なくともその時点では正解だったと言えるかもしれません。高すぎる授業料になりましたが、この苦い経験は忘れません。
今後どれだけの損切をすることになるかは分かりません。夢破れて市場から退場すらしかねません。ですが、借金がある訳でもなし、もし種銭を全額失ったとしても、定年まで会社勤めが続くという、何も行動を起こしていなかった以前の状態に戻るだけです。損切上等。これからはそんな人生にしてやろうと思います。いつまで続けられるか分かりませんが、見届けて頂ければと。
※本稿は管理人が自身に対してのみ適用し責任を持つものであり、閲覧者様にハイリスクな投資を推奨するものではありません。投資は余剰資金で、リスク許容度の範囲内で、御自身の判断にて行って頂きますようお願い致します。