【生産部門を損切り】ネットキャッシュ比率1以上 銘柄選び実践 6867 リーダー電子

ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。

6867 リーダー電子 を取り上げます。2025年11月9日(日)時点のネットキャッシュ比率(投資有価証券は考慮しない)は1.05です。

放送機器や映画産業関連などに強みを持つ、電気計測器の中堅であり、自社で製造設備を持たないファブレスメーカーです。

波形モニター
ラスタライザー
フィールドテスター

各種業績データは IR BANK から引用させて頂きました。

直近数年間の売上高はほぼ横這いです。

今後の見通しに関しては、11/6(木)に発表された26年3月期の中間決算において、「販売面では、既存事業におきましては、放送関連事業及び電波関連事業において、最優先事項であった戦略製品の需要に応じたサプライチェーンの改善・確立が概ね完了し、正常化しております。また、新規事業におきましては、車載カメラ向け評価ソフトウェアについて、自動車メーカーや車載用の魚眼、超広角カメラを供給するメーカーと密接な関係を築き、商品の販売及び継続的な開発を行っており、引き続き魅力ある製品・サービスを提案・提供してまいります。」とされています。


利益状況を確認します。

EPSの推移には赤黒が入り乱れています。

「生産合理化に伴う組織再編と人員削減に関するお知らせ」が発表され、生産部門を廃止することが公言されたのが2014年7月。その甲斐あってか、15年3月期は数年続いた純利益マイナスを脱しましたが、以降も赤字が散見されます。

近年では売上原価率は30%台中盤で落ち着いたようですが、販管費率が54.51%から71.42%と幅があり、これが高い期はEPSのマイナスも大きいという状況のようです。


財務状況を確認します。

22年3月期までなら、現金等は増加傾向にあると判断していたと思われます。

一時は85.1%まで上昇した自己資本比率は、25年3月期には70.7%まで減退していますが、依然として高い水準であることは変わりません。

26年3月期の中間決算時点で、流動資産の内、現金及び預金が7.56億円、受取手形、売掛金及び契約資産が10.43億円、商品及び製品が6.09億円、前渡金が5.40億円。対して負債の内、短期借入金が4.05億円、長期借入金はありません。借入金が無いと手持ちのキャッシュが不足するかもしれないという危惧は分かるような気がします。


株価の推移を確認します。

上場来高値は2004年の2,490、安値は2014年の212となっています。10年で株価は10分の1以下となりました。

今年6月に生成AIに関連した買収案件が発表され、2日連続ストップ高を演じましたが、程なくして熱は冷めてしまったようです。


11/9(日)時点の予想年間配当利回りは2.97%。10年3月期以降、増配が4期、維持が4期、減配が2期、無配が4期。あまり配当に期待して保有する銘柄ではないように感じます。まずは毎期安定して黒字が出せる体制を。

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