今回は昨日の続きです。ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。
昨日作成した表の中から、目に留まった 9478 SEHD・アンド・インキュベーションズ を取り上げてみます。
こちらは、書籍の出版をメインに、コーポレートサービス事業、ソフトウェア開発、人材の教育や紹介、投資運用を手掛ける企業のようです。
グラフは2024年3月期決算資料からの抜粋です。過去10年の売上高はおよそ50億~70億/年でほぼ横這いですが、1株当り純資産額は2020年度以降右肩上がりを続けています。
内部留保は着実に積みあがっているようですが、何か大きな新事業計画があるのでしょうか?決算資料では、今後の事業展開についての頁で、「長期の利益成長、純資産増加を目指す」とされています。
ともかく、事業の先細りが嫌気されて株価が低迷している訳ではなさそうです。
株価の推移を見てみます。
株式分割を経ていますので、当時の金額とは異なりますが、2000年2月に4517.5の上場来高値を付けた後、2003年4月には43.1の安値を付けており、3年で株価は100分の1まで下落した経緯があるようです。当時の投資家の方々の心情は察するに余りあります・・・
近年では、2020年3月に111で底打ちし、以降の月足ベースでは上昇傾向が続いているように思えます。これは今後も継続するのでしょうか?
日足ベースでは、4月以降下落が続いており、月足ベースとはまた異なる印象を受けます。直近3日間では上昇の兆しも見られ、5日移動平均線は25日移動平均線を上抜けるゴールデンクロスとなっていますが、季節性も考えると、また下落に転じる可能性もあるように感じます。
現時点でPERは7.0、PBRは0.6。十分割安と言って差し支えないと考えます。配当利回りは1.2%のため、インカムゲインよりはキャピタルゲインを目当てに投資する銘柄ということになりそうです。
ただ、信用買い残が多いことが気掛かりです。6/14(金)時点の残は2,921,000となっており、急落で比較的活況だった5/30(木)の出来高244,900の約12倍です。上値は相当重くなっているのではないでしょうか。
今すぐ買い向かうのではなく、長期間かけて丁寧に安値を拾う姿勢が求められそうです。う~ん、短気な私に耐えられるでしょうか?
普段は売買代金の大きい大型株にばかり手を出していますが、冷静に考えて、海千山千の大口に立ち向かって出し抜ける公算は極めて小さいです。資金が小さいからこそ、決められた期限までに成果を上げることを強いられない個人だからこその戦い方もあるはずです。今後も銘柄探しは続けていきます。