【会計基準適用前後】ネットキャッシュ比率1以上 銘柄選び実践 7460 ヤギ

ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。

7460 ヤギ。2024年10月6日(日)時点のネットキャッシュ比率(投資有価証券は考慮しない)は1.44です。

繊維を専門に扱う商社です。UNITO organic、natureel、Belmottなど、ブランドの説明が全く頭に入ってきません・・・


恒例ですが、IR BANK より各種業績を引用させて頂きます。

どなたが御覧になっても同じ感想を持たれるかと思いますが、狙ったかのような横這いが長期間続いた後、22年3月期に転機があったようです。

22年3月期の決算短信では、「当連結会計年度の期首より収益認識に関する会計基準等を適用したことに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して減少しております。」と説明されていました。要するに、売上高の数え方が変わったことが原因であり、見たままの減収ではない、ということのようです。

当時の決算補足説明資料では、21年3月期の売上高は779億円とされており、新基準適用前の売上高1142億円とは363億円もの開きがあります。この中身が気になって仕方ありませんが、少々調べた程度では分かりませんでした。


利益状況をEPSで確認します。

売上高のグラフ形状とは似ても似つきません。

22年3月期のEPS下落は会計基準の変更が理由として押し通るのでしょうが、それにしては、売上高が21年3月期以前の水準まで回復していない24年3月期のEPSは、確認できる限り過去最高値になっています。

これだけが理由ではないかもしれませんが、最も大きな原因は、売上原価率の低下にありそうです。21年3月期は84.19%、22年3月期は78.04%、23年3月期は77.06%、24年3月期は73.47%となっており、順調に原価低減が進んでいるようです。


財務状況も確認します。

増減はありながらも、傾向としては増加している、という感想を持ちました。

営業CFは過去10年で、黒字が7回、赤字が3回。自己資本比率は50%前後を長期間維持。有利子負債比率も期によって増減を繰り返しています。

配当に関しては、10年3月期より、増配6回、維持8回。減配1回。この減配は22年3月期の会計基準変更期のものです。基本的に減配はされないようですし、10/6(日)時点の予想年間配当利回りは3.82%と低くはありません。22年3月期の配当性向90.8%は1回限りのイレギュラーと判断する限りにおいて、配当目的の保有も有りではないでしょうか。


月足チャートで株価の推移を確認します。

既視感を覚えるチャート形状ですが、2022年までは緩やかな下落を続けていたものの、2023年に入ってからは上昇を開始し、2024年7月に天井を付けて下落転換し、本日に至ります。

日足チャートで確認しても、上昇傾向は見られませんが、そろそろ底を打ったと見ることも出来るかもしれません。


こちらの銘柄も、先週取り上げた 7841 遠藤製作所 同様、清原達郎氏の5%以上保有銘柄に該当します。現時点ではどうか分かりませんが、発行済株式数の7.29%となっています。

「それなりに将来性を見込んでいるか、将来性が大して見込めなくてもあまりにも割安だと考えている銘柄」という氏の慧眼に肖って保有するも良し、「3%以下になるまで株を売却する強いインセンティブ(動機)」を敬遠して近寄らないのも良し、です。

出来高が少ない銘柄ですので、動き始めれば一瞬、ということも考えられます。日々のウォッチ銘柄に入れておくのも面白いかもしれません。

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