【スピンオフ上場と社名変更】ネットキャッシュ比率1以上 銘柄選び実践 6676 メルコHD

ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。

今年最後の銘柄は 6676 メルコHD です。2024年12月29日(日)時点のネットキャッシュ比率(投資有価証券は考慮しない)は1.19です。

家電量販店に行くとPC周辺機器コーナーで必ずと言っていい程目にする BUFFALO を傘下に持つ、電気機器を扱う企業です。


IR BANK より各種業績データをお借りします。今年は大変お世話になりました。

売上高の推移を確認します。18年3月期までは斜陽が色濃く感じられますが、19年3月期を転機に再起が成ったようです。当時の決算説明会資料を確認しましたが、19年3月期より、事業セグメントに食品が加わっています。

本丸のIT関連事業に関しては、18年3月期の売上が702億円であるのに対し、19年3月期は707億円と、横這いと言って差し支えない差異ですが、ここに食品事業の359億円が加算されることによって、前期比+50.71%の売上高が達成されています。

ただ、25年3月期の下期より、食品事業が連結子会社から除外されており、減収はこの辺りに理由がありそうです。


利益状況をEPSの推移で確認します。

21年3月期と22年3月期の増益が一際目を引きます。

21年3月期は、件の社会情勢の年でしたが、テレワークや遠隔学習、巣ごもり娯楽の需要とともにWi-Fi関連機器の需要が高まり、増収増益に寄与したようです。

22年3月期は、国内代理店を務めた空気清浄機「Airdog」が全国10,000以上の医療施設に導入され、累計販売台数30万台を突破したとされています。

特需の時期と比較すると減益とは言え、食品事業分離発表の後も、25年3月期は前期比プラスに据え置かれています。


財務状況を現金等の推移で確認します。

概ね売上高の推移と似た形状になっています。有利子負債も24年3月期には無くなっており、今後も基本的には増加傾向と見てよいのではないかと考えます。

近年の営業利益率が1.78%~8.81%と、波があるのは少々気になりますが、14年3月期以降は自己資本比率60%以上が維持されており、確認できる限りの08年3月期以降、営業CFは毎期黒字になっています。

配当に関しては、10年3月期以降、増配が5期、維持が4期、減配が3期とまちまちです。12/30(日)時点での予想年間配当利回りは4.59%と優秀ですが、23年3月期と24年3月期は配当性向が60%を超えており、少々無理を感じます。減配のリスクは常に想定しておいた方が良さそうです。


株価の推移を月足チャートで確認します。

2020年10月の自社株買い発表を契機として、目覚ましい株価の上昇が確認できます。

特にその時期にマイナス材料になりそうなIR情報は確認できませんでしたが、2020年8月の盆休み明け辺りから下落が始まり、その後半値近くまで売られています。

2024年10月1日(火)には子会社の 250A シマダヤ がスピンオフ上場になっています。分配権利落ち日に保有していた 6676 メルコHD の株式に関しては、税務上の取得価額が0.725倍になり、減った分に相当する0.275倍の取得単価で 250A シマダヤ の株式が現物配当されたそうなのですが、アプリによって、サイトによって、過去の株価の表記が異なっているなど、訳が分かりません。この月足チャートの印象通りの株価暴落ではなかった、という認識が正しいのかどうかも自信がありません。


2025年4月1日(火)には、6676 メルコHD は子会社と合併して社名を変更し、(株)バッファローを名乗ることになるようです。メルコの名前は知らずとも、バッファローは知っている、という方は相当数いるでしょうから、妥当な判断であるように思います。

今度はスピンオフ上場と逆の現象が起きる訳ですが、株価に良いスピンが掛かることを期待します。

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