【法人税等調整額】ネットキャッシュ比率1以上 銘柄選び実践 5187 クリエートメディック

ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。

5187 クリエートメディック に焦点を当てます。2025年2月24日(月)時点のネットキャッシュ比率(投資有価証券は考慮しない)は1.21です。

シリコン製カテーテル等、使い捨て医療器具を中国やベトナムで生産しているメーカーです。

消化器系製品
PEG関連製品
外科系製品
麻酔・呼吸器系製品

IR BANK より長期業績データを拝借します。

少なくとも直近の10年程度において、売上高はじわじわと伸びています。

2/13(木)に24年12月期の本決算が発表されていますが、売上高の内訳は、自社(国内)が71.82億円、海外(欧州、中国)が46.08億円、OEM販売が12.39億円となっており、主戦場は国内のようです。

また、今後の見通しに関しては、「国内市場では新製品の上市と価格戦略の見直しを通じて売上の拡大を見込んでおります。海外市場においては、地域特性に応じた販売戦略を展開し、特にインドおよびインドネシアにおける販売拡大に注力してまいります。利益面では、収益構造の改善および原価低減施策の推進により、一層の利益向上を目指してまいります。」とされています。


利益状況は複雑です。

EPSの推移において、23年12月に奇怪な谷ができています。経常利益から純利益を算出する段階にて、「法人税等調整額」が約4.27億円計上されており、明らかにこれが減益の原因です。

不勉強なもので意味が分からず、決算説明会資料を確認しましたが、これには「法人税等調整額は、単体業績の収益性を基に税効果会計の会計分類を変更して、繰延税金資産を取崩ししております。」と注釈がありました。依然として理解できません。

繰延税金資産とは、将来の課税所得から減額される額を資産として計上したもので、実質的に法人税等の先払いの額とのこと。未来の税金の支払いを減らすためにこのような処理をするようです。

ただ、繰延税金資産の取崩しを行うのは、将来減算する課税所得が見込めなくなった時で、著しく業績が低迷するような事態に陥った場合などとされています。著しく不穏です。しかしながら、24年12月期実績は増収でしたし、25年12月期予想も更に増収になっています。杞憂に終わったと考えてよい、のでしょうか?


財務状況も確認します。

惜しくもキャッシュが継続的に増える状況ではないようですが、24年12月期は大幅な増額になっています。

自己資本比率は70%以上が定位置で、確認できる限りの08年12月期以降、これを下回ったのは12年12月期のみとなっています。

営業CFは毎期黒字で、24年12月期はとりわけ大きく、+22.49億円となっています。

有利子負債比率も順調に低下しており、12年12月期には18.41%でしたが、24年12月期には5.08%となっています。

健全に見えますが、23年12月期時点では何か不安材料が有ったのでしょうか?


株価の確認です。

2018年5月に1,488の高値を付けて以降、低迷が続いています。

日足チャートからは、2/13(木)の決算発表に向けて若干値を上げたものの、数日経過した時点では結局無風通過であったと評価されるような推移に落ち着いた様子が見て取れます。


決算説明会資料の中に、「PBR 1倍に向けた取り組みについて」や、「配当政策」といったスライドがあり、株主還元が意識されている銘柄であることは確かです。

2/24(月)時点での予想年間配当利回りはちょうど4%であり、09年12月期以降、増配が3期、維持が12期、減配無しと、非常に安定しています。25年12月期は減配予想のようですが、33円→35円→37円→39円と推移してきたものが37円に戻るだけであり、大差無いと言えるのではないでしょうか。

こちらの銘柄も、株価の値動きを捉えて利益を出すというよりは、一度買ったら動かさず、配当を受け取りながら気長に成長を待つ、という姿勢が合っていそうです。

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