ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。
4243 ニックス を取り上げます。2025年12月7日(日)時点のネットキャッシュ比率(投資有価証券は考慮しない)は1.29です。
ファスナー、プリント基板収納ラックなど工業用プラスチック製品を製造する企業です。




各種業績データは IR BANK から引用させて頂きました。
46億円に天井を感じる売上高の推移です。
今後の見通しに関しては、11/13(木)に公開された25年9月期の本決算において、「当社グループでは引き続きオリジナルプラスチック素材であるNIXAM応用製品による高付加価値新製品の開発・拡販に注力致します。また、生産面で新分野の生産能力の強化を目的とした投資を行い、市場ニーズへの対応力向上を推進してまいります。販売面では海外販売拠点と更なる連携を強化し、地域特性に柔軟に対応しつつ、お客様の抱える様々な課題を解決するための営業活動を継続してまいります。損益面でも引き続き原価低減、経費削減等スリム経営に努めてまいります。」とされています。

利益状況を確認します。
横這いもしくは微妙に下降傾向を感じるEPSの推移となっています。
20年9月期の赤字は例の社会情勢絡みかと思いましたが、当時の決算短信を見ていると、損害賠償金7,720万円の記載がありました。経常利益は5,813万円であり、これが無ければ赤字にはなっていません。何があったのか気になったのですが、調べ方が甘いのか、決算短信にも、説明会資料にも、ニュースサイトにも、詳細を見付けることは出来ませんでした。
この期の営業利益は2,000円。執念で黒字に、しようと思って出来るものなのでしょうか。

財務状況を確認します。
一方やや増加傾向を感じる現金等の推移です。
自己資本比率は徐々に数値を高めており、25年9月期には74.7%となっています。14年9月期の54.3%から20%以上上昇しています。
最近取り上げた銘柄では必ず見ている、借入金の必要性ですが、1年内返済予定の長期借入金が1.14億円、長期借入金が0.75億円に対し、現金及び預金が21.10億円あります。商品及び製品が3.67億円、原材料及び貯蔵品が1.52億円と、在庫を多く抱える業態でもないようですし、こちらの銘柄に借入金は不要ではないでしょうか。余計なお世話かとは思いますが。
営業CFは10年9月期以降毎期黒字です。

株価の推移を確認します。
上場来高値は2014年9月の1,770、安値は2009年3月の156となっています。5年でテンバガーは夢のある話ですが、常人にはそんなに上手く売買出来るはずもなく、夢は夢かと思われます。
10月に高騰した日もあるようですが、すぐに元の水準に戻っています。


12/7(日)時点の予想年間配当利回りは2.53%。保有するにはほかの動機も必要になりそうです。10年9月期以降、増配が6期、維持が3期、減配が6期。22年9月期以降は維持が続いています。


