【禍転じて福と為す】ネットキャッシュ比率1以上 銘柄選び実践 3970 イノベーション

ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。

3970 イノベーション を取り上げます。2025年5月4日(日)時点のネットキャッシュ比率(投資有価証券は考慮しない)は1.05です。

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業績データは IR BANK からの引用です。

20年3月期以降、順調に売上高が伸びています。当時の本決算には、件の社会情勢への対応が急務となった企業や、個人によるテレワーク関連カテゴリーの検索数が増加したことが理由として挙げられていました。

怪我の功名ではありませんが、結果的にそれは長年続いた停滞を打破する切っ掛けとして作用し、成長路線に乗れたことになります。継続することや、商機を見逃さないことの重要性を勝手に感じています。


1株当たり利益の推移です。

状況は簡単ではありません。変化点としてどこか1期を挙げるなら、間違いなく23年3月期です。

当時のIR資料には、原因として、bizplayの事業モデルを動画視聴によるリード提供型からオンラインイベント開催型に転換したこと、ITソリューション事業において計画していたアライアンスが成立しなかったこと、連結子会社が保有する非上場株式の実質価額が著しく下落したため営業投資有価証券評価損として1.06億円を売上原価に計上したこと、などが記載されています。一過性のものとも言い難く、今後安定した利益の成長が見込めるかと問われれば、分からないとしか答え様がありません。


財務状況です。

現金等の推移は、EPSの推移を見た後では意外に感じる形状ではないでしょうか。近年は順調に増額しています。どちらかと言えばEPSよりも売上高の推移に似ています。

自己資本比率に関して、18年3月期以降は毎期70%以上と高く、有利子負債も21年3月期に一度完済されています。営業CFも19年3月期以降は毎期プラスです。


株価の推移です。

20年3月期本決算が発表されたのが2020年5月25日。翌月の月足は、安値2,642、高値6,700となっています。

前期比売上高+35.9%、営業利益+959.0%、純利益+934.7%の衝撃に加え、次期の業績もレンジ形式とは言え最大で前期比売上高+15.2%、営業利益+20.3%、純利益+19.1%と来れば、当時の陶酔も察するに余り有ります。2ヶ月持たなかったようですが・・・。

落ち着きを取り戻した後は続落し、今では5年前の株価の6分の1程度まで値を下げています。PER=9.6、PBR=0.85で、今のところ割安水準にあると言えるのではないでしょうか。

5/12(月)に25年3月期の本決算が発表されます。再上昇の契機になるでしょうか?


5/4(日)時点の予想年間配当利回りは3.67%。悪くありません。配当を出し始めたのが22年3月期からであり、実績が少ないため今後に関しては何とも言えませんが、配当性向が23年3月期には153.2%と、身を削って支払われており、24年3月期においても42.1%と低くはありません。少々無理をされているようにも感じます。

自動車部品の25%追加関税が結局発動されるなど、相場の混迷の中で決算発表ラッシュに突入します。二転三転する要人発言で市場は振り回されることになりますが、財務健全で業績好調の銘柄に当たりを付けておくことは、どのような状況でも有効ではないかと考えます。

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