【減損損失29億円】ネットキャッシュ比率1以上 銘柄選び実践 3895 ハビックス

ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。

3895 ハビックス を取り上げます。2025年12月21日(日)時点のネットキャッシュ比率(投資有価証券は考慮しない)は1.07です。

不織布と衛生向け原紙が主力の、パルプ・紙業種企業です。

パルプ不織布
化合繊不織布
衛生用紙

各種業績データは IR BANK から引用させて頂きました。

130億円辺りに天井を感じる売上高の推移です。

26年3月期の中間決算において、不織布関連事業は「両不織布において価格修正による受注の低迷、さらには安価な中国製製品や代替素材への切り替えが進んだことが、業績に影響を与えました。」とされ、紙関連事業は「穂積工場から海津工場への生産移管により、効率化の推進や収益性の改善を目的とした品種構成等の見直しを進めましたが、移管に伴い衛生用紙の生産量が減少したことや、価格修正による受注の低迷が業績へ影響を与えました。」とされています。値上げせざるを得ないが、やはり販売量が減ってしまう、インフレの脅威を感じます。


利益状況を確認します。

EPSの推移からも、成長性という観点では苦戦が見て取れます。

特に目を引く22年3月期の赤字に関しては、当時の決算短信において、紙関連事業設備の減損損失が29億円計上されていました。固定資産の減損に係る会計基準に基づき、将来の回収可能性を検討した結果であり、件の社会情勢の影響であるとも謳われていましたが、失礼ながら少々違和感を感じました。元々抱えていた何かしらの問題を、口実を得て処分したのでは、と考えるのは、邪推が過ぎるでしょうか。


財務状況を確認します。

現金等の推移は一進一退です。

今まで見た銘柄の中では自己資本比率の変動が大きく、45%から61%の間を行き来し、25年3月期は59%となっています。有利子負債比率もまちまちで、55.55%から17.91%の間で推移しています。

営業CFは、額の大小はありますが、08年3月期以降は毎期黒字です。

26年3月期の中間決算時点では、現金及び預金22.6億円に対し、原材料及び貯蔵品が14.2億円、商品及び製品が6.2億円、1年内返済予定の長期借入金が4.0億円、長期借入金が7.0億円となっています。


株価の推移を確認します。

上場来高値は2017年4月の1,420、安値は2008年10月の148となっています。9年でほぼテンバガーですが、そんなに都合よく売買出来ようはずもありません。

月足も日足も、傾向としてはやや下落寄りではないでしょうか。


12/21(日)時点の予想年間配当利回りは3.95%であり、決して悪くありません。10年3月期以降、増配が6期、維持が4期、減配が5期と、こちらもまちまちです。近年の配当性向は20%付近であり、増配の余地は感じますが、利益に準じた額にされているようですので、安定した配当を望むのであれば、他の銘柄も選択肢に入れるべきかもしれません。

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