【減配されない高配当?】ネットキャッシュ比率1以上 銘柄選び実践 3294 イーグランド

ネットキャッシュ比率が高い銘柄の中から、次の投資候補を探します。

3294 イーグランド を御紹介したいと思います。2024年9月16日(月)時点のネットキャッシュ比率(投資有価証券は考慮しない)は1.06です。首都圏で中古住宅再生事業を展開する、不動産セクターの銘柄です。


IR BANK より各種データを引用させて頂きます。御存知かとは思いますが、非常に有用なサイトですので皆様も御活用下さい。

売上高の推移です。19年3月期から21年3月期は足踏みを挟みましたが、基本的には増収傾向であると考えます。

首都圏の中古住宅流通市場においては、中古マンション成約件数が微増傾向であるのに対し、新築マンション発売戸数は減少傾向にあり、2016年以降は中古の需要が新築を上回っているようですので、中古住宅再生事業という立ち位置は、市場の時流に乗っていると言えるかもしれません。下のグラフを御参考下さい。


利益状況を1株当たり純利益で確認します。

売上高との相関関係がかなり弱く見えます。

25年3月期に関しては、7/31(水)発表の第1四半期決算短信において。「長期保有物件の販促強化として販売価格を見直したことにより、居住用物件の利益率が低下し、加えて販売用不動産評価損を計上した影響により」売上総利益率が低下したとされています。要するに、長らく買い手が見つからない在庫物件を値引きして売ったことが原因ということでしょうか。

前年比の第1四半期業績は、売上高-17.0%、営業利益-82.9%、純利益-96.8%と、非常に厳しい数字が並んでいます。売上が下がっても販管費はむしろ上がっていますが、一過性のものであってほしいところです。


財務状況です。

現金等は何となく増加傾向にも見えますが、今後どうなるかの憶測は難しいように感じます。

24年3月期の自己資本比率は41.1%で、低過ぎもしないが、高くもない水準かと思います。有利子負債も増加傾向にあり、132.48%となっています。営業CF、フリーCFともに、期によって赤黒まちまちといった実績です。

ただ、配当には強みを感じます。13年3月期から24年3月期まで、減配0回、変わらず3回、増配8回となっており、9/16(月)時点の配当利回り予想は5.61%と非常に高水準です。


株価の推移を月足チャートで確認します。

これまでに取り上げてきた銘柄とは一味違った値動きではないでしょうか。

2021年8月に一際大きな高騰が見られますが、22年3月期の第1四半期決算短信が発表された時期と重なります。内容を確認してみると、前年同期比で売上高+79.3%、営業利益+509.1%、純利益+684.2%と、好材料視されて然るべき数字が並んでいます。以降、その水準から下がっていない辺り、大幅増収増益の再来を期待している株主が一定数いるのかもしれません。

24年3月期第1四半期決算の減収減益発表が株価に与えた影響は、8/5(月)の急落に紛れて分かり難くなっていますが、こちらの銘柄にとってはある意味幸運だったと言えるのではないでしょうか。


減収だろうと減益だろうと減配したことがない銘柄だけを選び、利回りが高くなった瞬間のみ買いを入れてポートフォリオを構成するのも、戦略としては有りではないでしょうか。

例えば2022年の-18.1%など、S&P500の利回りは年によってはマイナスになることもある実績を考えれば、もしかするとインデックス投資よりも高配当株投資の方が精神的に付き合い易いかもしれません。

問題は、貰える配当は変わらないだろうと分かっていても、株価が落ちていくのを目の当たりにしてしまうと、焦って手放してしまうリスクは同じだということでしょうか。

結局物を言うのは握力、ということで。

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